都市の速度が、ふと鋭く感じられる日がある。
大切にしていたものの輪郭が、少しずつ曖昧になっていく。
そんな時は、歩みを少し緩め、自分のリズムへ戻る合図なのかもしれない。
気配に導かれるように、自然へ向かう。
森の小径には、揺れる影と風。
行き先の分からない道を、ただ感覚のままに歩いていく。
やがて、光に包まれた静かな場所へ辿り着く。
淡い温もりの中で、自然と心に耳を澄ませている。
考えを巡らせるときもある。
本を開くときもある。
ただ感じているだけのときもあれば、時間の流れに身を委ねるときもある。
境界はなく、すべてがほどけていく。